ユニバーサルファッションとは、
ユニバーサルデザインの考え方を
ファッションにとりいれたものです。
身長に合わせて丈詰めをするのも、
加齢や障がいで不自由になった体でも
動きやすいように直すのも、
お客さまそれぞれに適した洋服に直すという
目的は同じように、
年齢・性別・サイズ・
体型・障がいに関係なく、
すべての方々に
「好きな服・着たい服」を着て
おしゃれを楽しんでもらいたいと
考えています。
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下半身が動かせず車椅子生活のお子さま。小学校ではお母さまが付き添いオムツを取り替えていましたが、中学校では付き添いがなくなるので自分でオムツ交換をしなくてはなりません。そこで、車椅子のままオムツ交換をしやすいパンツを提案。順調に中学、高校、大学と成長し、アメリカに留学することになり、オムツ交換をしやすい特製ジーンズを何本も持って意気揚々と渡米。留学生活を満喫し、帰国後、社会人になった時には同様のオムツ交換しやすいデザインでスーツ用のスラックスを何本もあつらえました。
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寝たきりのお客さまで、腕を曲げたり肩を上げたりすると、脱臼などの恐れがあり着替えが困難な状態にありました。そこで肩と両脇にファスナーを取り付け、頭や腕を通さずに、ファスナーを閉めるだけで着られるようにしました。着る人にとっても、介護者にとっても簡単に無理なく着用できるようになりました。
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脳性麻痺の小さなお子さま。よだれが大量に出るので、スタイはこまめに取り替えなくてはなりません。そこで、裏地に撥水加工の布を施し、しみないように工夫するとともに、一見スタイに見えない可愛いデザインの洋服にもアレンジ。お出かけのたびに「かわいい」と褒められて本人もご両親も喜んでいます。
- パンツのお直しで足の冷えをカバー。ウォーミングアップの効率UP!脳性麻痺で、車椅子で生活されている中年の女性。初めて来店された時は暗い表情をされていました。車椅子だとコートの裾が一方向に寄ってしまって困るという悩み。そこで、コートの背側の裾にスリットを入れることにより後ろの裾を前に持ってきて布地の片寄りを解消し、デザインを配慮した仕上げにしました。すると、次回来店された時はヘアカラーとマニキュアを施し、「おしゃれが楽しくなった」と笑顔になられていました。
- 病気により人工肛門(ストーマ)になった男性。長年会社役員を務めてきて上質なスーツをたくさん持っていますが、ストーマの分ウエストがきつくなり履けなくなってしまいました。そこで、横にマチを入れてゆったりしたシルエットに改良し、サスペンダーで吊るように。スーツのおしゃれを諦めないで仕事で活躍しています。
- 装着している尿袋がズレてしまう悩みを抱えていた女性は、それが気になるために夜もよく眠れずイライラしていました。そこで、スポーツ用のサポーターに尿袋をつけると装着が簡単になり、ずれなくなったので夜もよく眠れるように。性格まで明るくなったそうです。
- ある男性は脳溢血で倒れて2年間引きこもりの生活をしていました。リハビリをがんばり、そろそろ外に出ていこうという気持ちになってきたところ、洋服の脱ぎ着の悩みが。そこで、不自由さが残る体でもトイレに行きやすいパンツ、マグネットで留めるだけのボタンのワイシャツやネクタイで、社会復帰を果たしました。ちなみに、ワイシャツはマグネットボタンですが、一番下のボタンだけはあえて普通のかけるボタンにして、リハビリを兼ねています。
エピソード一覧
着たい服を着ていただくためのお直し
アトリエ・クチュリエールにできること
着物や帯をリメイクして“世界で1つだけ”のおしゃれを
リメイクで、ワンランク上のオリジナリティを楽しむおしゃれを